平屋を考える。

現在、BROOKでは秋田市内で現場4件の同時進行と打ち合わせが多数という状況。
全てを丁寧にひとつづつ、しっかりと対応させて頂きます。
一般的な住宅会社なら、なんということも無い数字でしょうが、何しろ小さな住宅屋のBROOKでは大忙しのレベルなのです。ご容赦ください。
さて本題。
以前のブログでも書きましたが、このところBROOKでは、平屋に関するお問い合わせを多く頂いています。昨年の秋に秋田市雄和に平屋モデルを1軒作らせていただき、現在、秋田市の南が丘でも平屋建ての工事が進行中です。

雄和の家
WORKS #006 雄和の家

そこで、この機会にBROOKが考える平屋の住宅のプラス面とマイナス面についてもう一度お話してみたいと思います。重複する内容もありますが「おさらい」ということで読んでいただければ幸いです。
もともと、私自身は平屋の住宅は大好きです。かつて、BROOKを起ち上げる前の古着屋時代にもブログの中で触れていますが、平屋の住宅、とりわけ米軍ハウスの汎用性に富んだシンプルな佇まいがお気に入り。
結構昔から機会があるごとに、米軍住宅の魅力については語っていると思いますが、ここでもう一度お話させて頂きます。

そもそも米軍ハウスって??

米軍ハウスの魅力は、様々な住人を想定したそのシンプル過ぎるほどあっさりした佇まいに尽きるのではないでしょうか。
アメリカという多民族国家ゆえのユニバーサルデザイン的要素がシンプルさを際立たせつつ、応用のきく間取りや、誰にでも好まれるような質感の建物であることではないかと。そして、それをベースに雑多な文化的背景を持つアメリカ人が、自分たちが主体となったDIYで、自由に感性を発揮してそれぞれの好みでカスタマイズを楽しむ。
御存知の通りこの米軍ハウス、元々は日本に駐留していた米軍将校のための住宅であり、現存するオリジナルの住宅は築年数も相当古く、残念ながら建物の寿命はとうに尽きていると言わざるを得ません。
それでも、アーティストや高感度な人々を中心に現在もなお人気が高く、住民それぞれの自由な感性でカスタマイズしながら使われ続けています。
そこでBROOKでは、米軍ハウスそのままのデッドコピーではなく、その良きエッセンスを上手に料理しながら現代風にアレンジしてみよう!
そして、現代の家として快適であるという、家としての本来の機能も両立しようというのがBROOKの造る平屋モデルの生い立ちです。

まずは基本のデザイン。

米軍ハウスそのままでは、いかにユニバーサルなデザイン傾向とはいえ、やはりアメリカンなイメージが強すぎる。
BROOKではこれを適度に希釈し、さらに「無国籍化」をすすめ、どんなセンスの人でも住み手が自由に個性を活かせるように基本デザインの味付けも薄味にした、シンプルデザインでまとめてあります。
基本的にBROOKの家全てがそうであるように、シンプルで余計な装飾を排しながら、質感は高い材料をセレクトしてゆくことに変わりはないのですが、これを米軍ハウスに施すと、不思議と綺麗で上品な佇まいに変わってゆきます。
これがBROOKの平屋モデルのデザイン上の特徴の一つです。

そして道具としての機能もしっかり。

そして、住宅は単なる見てくれのいいオブジェではなく、やはり「住むための道具」です。端的に言えば「暑さ寒さ」などの気象条件から、しっかりと住人を守らなければいけません。つまりシェルターとしても、あたり前にしっかり機能しなければならないということです。
この点、現代の技術で住宅をつくり上げるわけですから、高いレベルでこの条件を満たすことになるわけです。もちろん、耐久性も一昔前の住宅とは比べるべくも有りません。

平屋のメリット、デメリットとは?

私自身、お気に入りの平屋の住宅ですが、やはりデメリットというかマイナス要素というか…これも当然有ります。
この平屋の住宅にとって一番のハードルは、同じ面積で家を作った場合、その必要とする土地の大きさも含め、やはり割高になるということです。そのため、効率を考えると現在主流の総2階建ての住宅になってしまうわけです。逆に2階建ては平屋に比べ、単純に土地の面積が少なくて済むうえ、お金のかかる基礎工事や屋根工事も少いため、同面積の平屋の住宅に比べるとコスト面は有利になるのです。
もう一つは空間の構成として、横方向の「広がり」はあるが上方向の「高さ」感に乏しいことです。BROOKの平屋では天井を高く取るので幾分マシですが、それでも2階建ての吹き抜け部分が見せる、あの、縦方向の伸びやかさにはかないません。この辺りはデメリットというより、むしろ好みにもよる所ですが。
つまり、もし、平屋の住宅を検討される方は、少しばかり広い土地が必要になることと、建物が幾分割高になることをご理解いただかなければなりません。とはいえ、これは都会では難しいハードルになる部分ですが、そこは田舎の強み。都会に比べれば土地代もそれほど高くない秋田なら、ちょっと郊外の一回り大きな土地を求めて、設計時に間取りとサイズ感に工夫を重ねれば、あっさり可能になります。むしろ、割り切りが多くなる分、汎用性の高いシンプルな良い住宅になるとも言えます。

「家」選びの新しい基準のひとつ。

かつて家に求められた価値観、価値基準は「?DK」とか、「?坪」あるとか、「数値」を競うような傾向にあったことは否めません。ところが、現在のお客様は昔と違い、とても自由で豊かな感性をお持ちの方が多いように感じます。
暮らしや好みの価値観が多岐にわたり、それぞれが自分らしく個性を発揮できる多様性のある家を求める傾向に変わってきたように感じます。それに、平屋の建物は自分たちでメンテナンスやカスタマイズもし易い建物です。
個性的なお客様が自分たち好みの家として遊ぶ自由度が格段に高いですから、ご家族みんなで、世界に一つだけの自分たちらしい家に仕上げてゆく楽しみもあります。これらの要素が最近、平屋の問い合わせが増えてきた原因の一つでは?と感じる今日このごろです。
絶対的な大きさが良い家の基準ではなく、いかに楽しめる家を提案できるか?われわれ住宅の供給者としても様々な提案力が試される。BROOKとしては、とても楽しい時代になってきたということでしょうか。

AUTHOR:BROOK Inc.

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