道具を愛用する愉しみ。

道具を愛用するということ。
私は手入れをしながら使っているいろいろな愛着のある道具達があります。
機械式の時計やカメラ、ブーツをはじめとする皮革製品、ビンテージと呼ばれるキャンプ用具、そしてちょっと古いクルマなど。
これらはおしなべてシンプルな機構とデザインでどこか人の手のぬくもりを感じさせてくれるモノたちです。
いわゆるアナログ感のある道具達。
どうも私はこういうものに弱いようです。

私達が作るBROOKの家はどうだろう?
そもそも住宅は他の精密な工業製品に比べると、とてもシンプルで頑丈なものです。その主たる機能はめったに壊れることは無いでしょう。
では住宅において、愛用するためには何が必要になるのか??
いろいろと考えつくところはありますが、私は、デザインに飽きないことや、経年で美しくなる素材の質感とそもそものメンテナンス性に優れている事が大切なのだと感じています。
このため、BROOKでは使う材料や作り方、そしてデザインをとても大事にしているわけです。
もちろん、いかに頑丈な住宅とはいえ、メンテナンスをせずに全ての機能が新築のときから変わらないハズはありません。必ず、すべてのモノは劣化してゆくのが宿命なのです。

ちょっと前まで人々は、様々な道具達をしっかりと手入れしながら使い続けてきました。
もちろん当時は使い捨てる概念も無く、必要に迫られて手入れをしていたものと推察します。
そして時は移り、大量生産と大量消費の時代をむかえます。コスト至上主義で使い捨てのモノが巷に溢れ、あっという間に市場を席巻してしまいます。
そして、戦後の住宅事情も時を同じくして、「安ければいい」というコスト至上主義時代に突入してしまったようですね。
現在、多く見かける古い住宅の中には明らかに過剰なコストダウンの結果、経年変化に耐えられず無残な状態になっているものも多く見受けられます。
これらはリノベーションのベースとして見ても明らかに素性が悪すぎるのです。つまり、手入れをしようにもベースが悪すぎてコスト的に現実性が無いのです。
これらを直すよりはむしろ新築のほうが良いくらい。
しかし、その時代にあっても良識のある大工さんや工務店などがしっかりと作った住宅は未だに躯体はしっかりとし、手入れをすればまだまだ使えるという住宅もあります。
この両極端の二つの例のどちらがプロダクトとして正しいのかは言わずもがなです。
BROOKとしては、しっかりと手入れを続けたオーナーの愛情がきちんと反映される住宅を作りたいと考えるわけです。

そして大切な要素として忘れてはならないのは気持ちの問題です。
一緒に長い時間を過ごした愛用の道具達はその思い出とともに、オーナーのためだけの唯一絶対の存在に成長してゆくものです。
これは使い捨てられることを前提にして作られたモノ達には決して真似の出来ない芸当です。しっかり作られ、しっかりメンテナンスされたモノだけに許される特権のようなものです。
人生の大半を大切な家族と過ごす場所になる住宅。それらは決して安易に作られたりしてはいけないと信じています。
なぜなら、そこは子供の成長や一緒に歳を重ねてゆく夫婦のかけがえのないドラマがたくさん刻まれてゆく場所だからです。
BROOKの住宅は振り返ったときにそこで暮らした人生を見つめられるような素敵な名脇役でありたいと考えています。

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写真は私が十代の終わりの頃に買った古い時計。けっして高価な時計ではありませんが今も愛用しています。
1943年製のBULOVA社のアメリカ軍用時計。
そろそろオーバーホールの時期だなと思い、長年お世話になっている時計屋さんにお願いして待っていると、この小さな時計屋さんに愛用の時計を持ち込むお客さんがひっきりなしに訪れます。
きっとお客さんそれぞれが、時計と過ごした日々や思い出を携えてやってくるのに違いありません。
それを眺めながら、ふと、思いついたことです。

AUTHOR:BROOK Inc.

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